【ISDドラフト】相手の「絞り込み」を逆手にとる
2011年12月12日 TCG全般 コメント (1)年末進行で業務がいろいろと重なっているのですが、今週末はなんとかMOに触れました。
【1回目】緑白 高速ビート 1勝ドロップ 8-4
【2回目】黒白 コントロール 3勝 8-4
1回目のドラフトでは、出現カードと座席に恵まれ、アーキタイプ理想形の緑白高速ビートダウンデッキを組めたのですが、1戦目を勝利したところでメールが入り、嫁を駅まで迎えに行く必要が発生したので秒でドロップ(苦笑)。嫁の機嫌を悪くすると、パック獲得以上の損失を出しますからね・・・。マリガン判断みたいなものです。
2回目のドラフトは、かなり興味深いドラフトになりました。
【ピック譜】
http://space.geocities.jp/draft_toshiyak/2011_11/111217_01.html
初手は、黒アンコ「ファルケンラスの貴族」。
ドラフトでの初手戦略は大きく3つあるといわれています。
・戦略① (カード単体で)一番強いカードをピックする
・戦略② 自分の一番得意な(アーキタイプを作りやすい)色をピックする
・戦略③ 一色しかない色を選んで、複数ある色は流し下家と下々家を同じ色で競わせる
単にMOレーティング1900以上を目指すならば、自分として盤石なアーキタイプを用意し、「戦略②」でいく人が多いのではないか思います。ただし、作業化する感じです。
私はもう、マジックとつき合える時間に限りがあるので、できるだけ楽しみたいと思い、一期一会を楽しむため「戦略①」でいくことが多いです。
「戦略③」はよく語られるテクニックであり、今回ならば、唯一の緑優良カード「エストワルドの村人」という選択ですが、後の出現カードによる影響の方が遥かに大きいので、個人的にこの戦略はあくまで参考程度の基準にしています。
イニストラードの黒は弱いです。卓に2名までしか許されないでしょう。除去など一部優良カードを複数名で取り合ってしまった場合のリスクがあります。しかし、1-2、1-3と優良の黒カードが一枚づつ流れてきたので、ひとまず「2名」という少人数枠に乗れた感じがしました。
第1の分岐点は、1-6、黒「チフス鼠」か、青「縫い合わせのドレイク」の判断でした。どちらも黒青デッキには欠かせないカードですが、個人的に、黒のベスト相方は「青」と思っている私は、これまでの流れから、上家から「黒も青も許されている」信号を感じ取り、早い段階でデッキパワーを高める選択として、ドレイクをピックしました。
その後、思惑通り、上家から「青をやれ」「緑と白は許さないぞ」シグナルをたっぷりと受け容れていった展開で1パック目が終わりました。
イニストラードのドラフトは、ドラフトの基本でもある「シグナル・ドラフト」だと思います。マルチカラーカードがコモンやアンコモンにないため、自分の色をシンプルに主張したり、流れの良い色をシンプルに拾っていったり・・・と、やるべきことは非常にベーシックです。
逆に、ベーシックであればこその難しさがあります。特に、「色の絞込み」テクニックで自分のやりたい色を主張して、下家をコントロールしていたつもりが、逆にコントロールされる身であったり・・・先々週は、自分で「白」を絞り込んでいったつもりで、逆に上家に絞り込まれていることが後で発覚し、ボロ負けした苦い経験があります。
今回のドラフトのポイントは、逆順2-2、白「アヴァシン教の僧侶」のピックでした。
上家から「黒&青」が許されてはいたのですが、上家に絞り込まれていた「白&緑」は、結果的に私も下家に流さなかったことになります。ということは、私の下家も白や緑をプレーしていないことになり、2パック目の逆順で、下家がパスし、私の目の前を通過していく可能性が高くなります。
私が狙っている「青」は上家からは許されたけれど、下家から許されたかどうか?
また、元々カードプールのあまり強くない青や黒は、純粋な出現不発の可能性もあります。下家が「青」やっていたらどうする???
こういったことから、2順目で、黒や青が回ってこなければ、白ピックを断行する考えは、1パック目の途中からありました。(緑は黒の相方としてNGなので検討外です(笑))
結果、2順目は黒不発、青はおそらく下家がやっていたと思われ、白中心の流れでした。
黒白はアーキタイプとしてはオススメできるものではありませんが、卓のデッキがあまり強くない場合は、どんな色の組み合わせであれ、単体のカードパワーが強いデッキの相対的地位が高まります。現に、私の目の前を通過していったカードはどれも弱く、とくにイニストラードを象徴するような強力なビートダウンデッキを組むパーツが貧弱こともあり・・・私は「グッドデッキ」ではないけれど、最終的に「卓内最強デッキ」をドラフトできたかも・・・と満足しました。
デッキは完全に黒白の特徴を体現したようなアドヴァンテージ・コントロール。
土地は「沼×9」、「平地×8」の17枚。
「夜の犠牲×3」を筆頭に、「アヴァシン教の僧侶×2」や「忌わしき者の処刑者」などのクリーチャーも含めると、除去は10枚。ビートダウンデッキでは、手札に腐ると悪評の白「大物潰し」なんかも嬉しそうにこのデッキにはフィットします。
ゾンビは黒「グール起こし×2」だけでしたが、2枚集まれば十分機能するスペックです。
4マナカードが多いのは残念で、カード枚数が足りずに白「修道院のグリフィン」といった苦しいカードも入っていますが、スピードはあまりなさそうなこの卓なら十分活躍してくれるだろうと期待して送りこみました。
想定した通り、強烈なビートダウンデッキとはあたらず、1回戦、2回戦とも、青を中心としたマイルドなコントロールデッキとの対戦でした。相変らずヘボいプレイミスはあったものの、大局観だけは抑えて勝利を重ねました。
3回戦目の相手は、黒赤ビートデッキ。黒「グリセルブランドの信奉者」を絡めた、赤「裏切りの血」、黒「グール起こし」、黒レア「スカークスダグの高僧」コンボを相手はドヤ顔で決めてきましたが、相性差で圧勝。カードもライフも・・・「消耗戦」になれば最強の黒白コンセプトですからね・・・。
というわけで、高速環境といわれるイニストラードでも、出現カードによっては、卓全体がグダグダなドラフトになるときがあります。先々週は「絞り込み」戦術で失敗したので、今回は、逆に相手の「絞り込み」を逆手にとっていく判断をできたという点で、個人的にはなかなか会心のドラフトでした。なかなかこういうドラフトはできないですが・・・。
【1回目】緑白 高速ビート 1勝ドロップ 8-4
【2回目】黒白 コントロール 3勝 8-4
1回目のドラフトでは、出現カードと座席に恵まれ、アーキタイプ理想形の緑白高速ビートダウンデッキを組めたのですが、1戦目を勝利したところでメールが入り、嫁を駅まで迎えに行く必要が発生したので秒でドロップ(苦笑)。嫁の機嫌を悪くすると、パック獲得以上の損失を出しますからね・・・。マリガン判断みたいなものです。
2回目のドラフトは、かなり興味深いドラフトになりました。
【ピック譜】
http://space.geocities.jp/draft_toshiyak/2011_11/111217_01.html
初手は、黒アンコ「ファルケンラスの貴族」。
ドラフトでの初手戦略は大きく3つあるといわれています。
・戦略① (カード単体で)一番強いカードをピックする
・戦略② 自分の一番得意な(アーキタイプを作りやすい)色をピックする
・戦略③ 一色しかない色を選んで、複数ある色は流し下家と下々家を同じ色で競わせる
単にMOレーティング1900以上を目指すならば、自分として盤石なアーキタイプを用意し、「戦略②」でいく人が多いのではないか思います。ただし、作業化する感じです。
私はもう、マジックとつき合える時間に限りがあるので、できるだけ楽しみたいと思い、一期一会を楽しむため「戦略①」でいくことが多いです。
「戦略③」はよく語られるテクニックであり、今回ならば、唯一の緑優良カード「エストワルドの村人」という選択ですが、後の出現カードによる影響の方が遥かに大きいので、個人的にこの戦略はあくまで参考程度の基準にしています。
イニストラードの黒は弱いです。卓に2名までしか許されないでしょう。除去など一部優良カードを複数名で取り合ってしまった場合のリスクがあります。しかし、1-2、1-3と優良の黒カードが一枚づつ流れてきたので、ひとまず「2名」という少人数枠に乗れた感じがしました。
第1の分岐点は、1-6、黒「チフス鼠」か、青「縫い合わせのドレイク」の判断でした。どちらも黒青デッキには欠かせないカードですが、個人的に、黒のベスト相方は「青」と思っている私は、これまでの流れから、上家から「黒も青も許されている」信号を感じ取り、早い段階でデッキパワーを高める選択として、ドレイクをピックしました。
その後、思惑通り、上家から「青をやれ」「緑と白は許さないぞ」シグナルをたっぷりと受け容れていった展開で1パック目が終わりました。
イニストラードのドラフトは、ドラフトの基本でもある「シグナル・ドラフト」だと思います。マルチカラーカードがコモンやアンコモンにないため、自分の色をシンプルに主張したり、流れの良い色をシンプルに拾っていったり・・・と、やるべきことは非常にベーシックです。
逆に、ベーシックであればこその難しさがあります。特に、「色の絞込み」テクニックで自分のやりたい色を主張して、下家をコントロールしていたつもりが、逆にコントロールされる身であったり・・・先々週は、自分で「白」を絞り込んでいったつもりで、逆に上家に絞り込まれていることが後で発覚し、ボロ負けした苦い経験があります。
今回のドラフトのポイントは、逆順2-2、白「アヴァシン教の僧侶」のピックでした。
上家から「黒&青」が許されてはいたのですが、上家に絞り込まれていた「白&緑」は、結果的に私も下家に流さなかったことになります。ということは、私の下家も白や緑をプレーしていないことになり、2パック目の逆順で、下家がパスし、私の目の前を通過していく可能性が高くなります。
私が狙っている「青」は上家からは許されたけれど、下家から許されたかどうか?
また、元々カードプールのあまり強くない青や黒は、純粋な出現不発の可能性もあります。下家が「青」やっていたらどうする???
こういったことから、2順目で、黒や青が回ってこなければ、白ピックを断行する考えは、1パック目の途中からありました。(緑は黒の相方としてNGなので検討外です(笑))
結果、2順目は黒不発、青はおそらく下家がやっていたと思われ、白中心の流れでした。
黒白はアーキタイプとしてはオススメできるものではありませんが、卓のデッキがあまり強くない場合は、どんな色の組み合わせであれ、単体のカードパワーが強いデッキの相対的地位が高まります。現に、私の目の前を通過していったカードはどれも弱く、とくにイニストラードを象徴するような強力なビートダウンデッキを組むパーツが貧弱こともあり・・・私は「グッドデッキ」ではないけれど、最終的に「卓内最強デッキ」をドラフトできたかも・・・と満足しました。
デッキは完全に黒白の特徴を体現したようなアドヴァンテージ・コントロール。
土地は「沼×9」、「平地×8」の17枚。
「夜の犠牲×3」を筆頭に、「アヴァシン教の僧侶×2」や「忌わしき者の処刑者」などのクリーチャーも含めると、除去は10枚。ビートダウンデッキでは、手札に腐ると悪評の白「大物潰し」なんかも嬉しそうにこのデッキにはフィットします。
ゾンビは黒「グール起こし×2」だけでしたが、2枚集まれば十分機能するスペックです。
4マナカードが多いのは残念で、カード枚数が足りずに白「修道院のグリフィン」といった苦しいカードも入っていますが、スピードはあまりなさそうなこの卓なら十分活躍してくれるだろうと期待して送りこみました。
想定した通り、強烈なビートダウンデッキとはあたらず、1回戦、2回戦とも、青を中心としたマイルドなコントロールデッキとの対戦でした。相変らずヘボいプレイミスはあったものの、大局観だけは抑えて勝利を重ねました。
3回戦目の相手は、黒赤ビートデッキ。黒「グリセルブランドの信奉者」を絡めた、赤「裏切りの血」、黒「グール起こし」、黒レア「スカークスダグの高僧」コンボを相手はドヤ顔で決めてきましたが、相性差で圧勝。カードもライフも・・・「消耗戦」になれば最強の黒白コンセプトですからね・・・。
というわけで、高速環境といわれるイニストラードでも、出現カードによっては、卓全体がグダグダなドラフトになるときがあります。先々週は「絞り込み」戦術で失敗したので、今回は、逆に相手の「絞り込み」を逆手にとっていく判断をできたという点で、個人的にはなかなか会心のドラフトでした。なかなかこういうドラフトはできないですが・・・。
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