ドラフト戦術論2:プレイングにおける「命題」
2008年9月7日 TCG全般マジックのプレイング(とくにドラフト)の永遠の「命題」として、以下のような喩えを考える。
自分の手札に「Incinerate」があって、相手の手札には「Giant Growth」があるとする。相手が「Giant Growth」を打ってきたのにレスポンスして「Incinerate」を打てれば、その後の展開は非常に有利になるし、逆に自分が先に「Incinerate」を打って、レスポンスで「Giant Growth」を打たれれば、自分が苦しい展開になる。以上に関しては、マジックをかじった人ならば誰にでもわかることであり、人から見れば、相手のGiant GrowthにレスポンスしてIncinerateで除去すれば、明らかな「良いプレイ」であると賞賛される。
実はドラフトの対戦というのは、毎ターン、この「Giant Growth」対「Incinerate」の打ち合いの繰り返しの積み重ねであり、この駆け引きに勝ったものが対戦の勝利を得るというのも過言ではない。
となると、皆が「良いプレイ」をするようにプレイすることは当然であり、とくに中級以上のプレイヤーならばその場面で明らかなミスプレイをすることは少ない。では、上級プレイヤーとのプレイングの差に決定的な違いはどこにあるかというと、相手に「Giant Growth」を先に仕掛けざるを得ない状況を、「意識的に作り出す技術」であるといえる。
この技術は、毎ターンの「非常に小さなプレイの積み重ね」から成り立っており、結果としては普通のプレイと何ら変わりないことも多く、普通の人が観戦していても、何が「良いプレイ」だったのか、そうでないのか見逃してしまうことが多い。その見えない「良いプレイ」の積み重ねが、ひょっとしたら上級者と対戦して感じる「プレッシャー」といえるかもしれない。
以下は、本日の対戦であった出来事で、この日の自分の一番良かったプレイの例である。
自分はマリガンで後攻6枚スタートであり、相手は1ターン目「イラクサの歩哨(2/2)」、2ターン目「エルフの呪詛狩り」とビートダウンの展開をしており、とくに「エルフの呪詛狩り」は、私の手札の「至福の休息」を割れるので非常に嫌な感じである。ここで3ターン目の私の初動としては、3マナ帯で2つの選択肢「萎れ場の騎兵」「バリーノックの群勢」が考えられた。どちらも相手のビートダウンをストップできる好カードであるが、単体でみれば「萎れ場の騎兵」の方が強いカードある。この状況でどちらをキャストすべきかということの答えは「バリーノックの群勢」である。わかっている人にとっては当たり前のプレイではあるが、なぜなら、ドラフトであれば、相手のオープニング手札には必ず除去が少なくとも1枚はあると考えてよいからであり、本命の「萎れ場の騎兵」を守れる確率をあげたいからである。
実際に返す手で「バリーノックの群勢」は「安楽死」されたが、次に繰り出した「萎れ場の騎兵」が攻防一体の働きをし、最終的に逆転勝ちに繋がった。「バリーノックの群勢」では逆転には繋がらなかった展開であった。まさに相手に「Giant Growth」を先に打たせたプレイといえた。
私のドラフトの師匠はもうだいぶ前にマジックからは引退しているが、シアーズ兄弟(弟のブレット・シアーズはグランプリ優勝1回、ベスト4入賞1回)であるのだが、彼はそういった一見小さいが、最終的にゲームの勝敗を左右する序盤の私のプレイを見て、「このターンのキミのプレイは完璧だった」とか、「ダメだな」とか予言のようにつぶやいていたものだった。最終的に誰が先に「Giant Growth」を打って負けるかは、序盤の小さなやりとりでプロは予言できるのであり、実際に「Incinerate」をレスポンスで打つ瞬間よりも、それまでに至るプロセスこそが「良いプレイ」であるのである。
?ドラフト1回目:白黒 1没
?ドラフト2回目:白黒 3勝
(rating 1822)
自分の手札に「Incinerate」があって、相手の手札には「Giant Growth」があるとする。相手が「Giant Growth」を打ってきたのにレスポンスして「Incinerate」を打てれば、その後の展開は非常に有利になるし、逆に自分が先に「Incinerate」を打って、レスポンスで「Giant Growth」を打たれれば、自分が苦しい展開になる。以上に関しては、マジックをかじった人ならば誰にでもわかることであり、人から見れば、相手のGiant GrowthにレスポンスしてIncinerateで除去すれば、明らかな「良いプレイ」であると賞賛される。
実はドラフトの対戦というのは、毎ターン、この「Giant Growth」対「Incinerate」の打ち合いの繰り返しの積み重ねであり、この駆け引きに勝ったものが対戦の勝利を得るというのも過言ではない。
となると、皆が「良いプレイ」をするようにプレイすることは当然であり、とくに中級以上のプレイヤーならばその場面で明らかなミスプレイをすることは少ない。では、上級プレイヤーとのプレイングの差に決定的な違いはどこにあるかというと、相手に「Giant Growth」を先に仕掛けざるを得ない状況を、「意識的に作り出す技術」であるといえる。
この技術は、毎ターンの「非常に小さなプレイの積み重ね」から成り立っており、結果としては普通のプレイと何ら変わりないことも多く、普通の人が観戦していても、何が「良いプレイ」だったのか、そうでないのか見逃してしまうことが多い。その見えない「良いプレイ」の積み重ねが、ひょっとしたら上級者と対戦して感じる「プレッシャー」といえるかもしれない。
以下は、本日の対戦であった出来事で、この日の自分の一番良かったプレイの例である。
自分はマリガンで後攻6枚スタートであり、相手は1ターン目「イラクサの歩哨(2/2)」、2ターン目「エルフの呪詛狩り」とビートダウンの展開をしており、とくに「エルフの呪詛狩り」は、私の手札の「至福の休息」を割れるので非常に嫌な感じである。ここで3ターン目の私の初動としては、3マナ帯で2つの選択肢「萎れ場の騎兵」「バリーノックの群勢」が考えられた。どちらも相手のビートダウンをストップできる好カードであるが、単体でみれば「萎れ場の騎兵」の方が強いカードある。この状況でどちらをキャストすべきかということの答えは「バリーノックの群勢」である。わかっている人にとっては当たり前のプレイではあるが、なぜなら、ドラフトであれば、相手のオープニング手札には必ず除去が少なくとも1枚はあると考えてよいからであり、本命の「萎れ場の騎兵」を守れる確率をあげたいからである。
実際に返す手で「バリーノックの群勢」は「安楽死」されたが、次に繰り出した「萎れ場の騎兵」が攻防一体の働きをし、最終的に逆転勝ちに繋がった。「バリーノックの群勢」では逆転には繋がらなかった展開であった。まさに相手に「Giant Growth」を先に打たせたプレイといえた。
私のドラフトの師匠はもうだいぶ前にマジックからは引退しているが、シアーズ兄弟(弟のブレット・シアーズはグランプリ優勝1回、ベスト4入賞1回)であるのだが、彼はそういった一見小さいが、最終的にゲームの勝敗を左右する序盤の私のプレイを見て、「このターンのキミのプレイは完璧だった」とか、「ダメだな」とか予言のようにつぶやいていたものだった。最終的に誰が先に「Giant Growth」を打って負けるかは、序盤の小さなやりとりでプロは予言できるのであり、実際に「Incinerate」をレスポンスで打つ瞬間よりも、それまでに至るプロセスこそが「良いプレイ」であるのである。
?ドラフト1回目:白黒 1没
?ドラフト2回目:白黒 3勝
(rating 1822)
コメント