マジックのお祭り、ファイナルズ&リミッツ週間。今年は出場枠が大幅増となり、逆に天文学的倍率で、勝ち抜くことが至難の業に(苦笑)。
けれども、タレント性のあるビッグネーム・プロたちが闘い、名乗りをあげる大会としてはPTが十分役を担っているので、ファイナルズやリミッツは、オープン大会としての門戸を広げ、「マジック人口のすそ野を広げる」という位置づけに徹底した方が、長くマジックが栄えるという意味で全員にとって非常によい戦略転換なのではと思っています。(笑)

戦略転換といえば、私の方のZENドラの戦略転換。
ZENの初期にうまくいっていた「単色にこだわるドラフト」のやり方から、「はじめから2色前提」のドラフト戦略にシフトしたのですが、「3勝」できる確率は少なくなったかわりに、失敗ドラフトになってしまうことはほぼなくなり、安定して楽しめるドラフトにはなっています。

ドラフト中では、いくつかターニングポイントなるピックが発生します。
これは私的な考えですが、大きくわけると、ドラフトのピックは、以下の3つに分けられるのではないかと思います。
(A)戦略ピック(デッキ全体の方向性を決めるピックだが、勝敗には直接影響しない)
(B)戦術ピック(デッキ全体の方向性は変わらないが、ゲームを優位に進める上で重要なピック)
(C)兵卒ピック(他に選択肢がない、戦略・戦術にのっとり自動的に決まるピック)

シールドと違って、ドラフトの楽しいところは、ドラフトには無数の選択肢があることで、正しい解答はないということ。おそらく誰一人として全く同じピックにはならないだろうという部分です。その中での選択肢の選び方・・・「ターニングポイント」なるピックは、上記の(A)と(B)になると思います。

(A)の「戦略ピック」は、自分の好きな色とか、人気のない色に逃げるとか、そういうことを頭に描いてピックする段階で、「正しい解答」はあるにしても、それはあくまでいいデッキに仕上げる「確率を上げる」ためのものです。最終的にいいデッキになるかは、ランダム性や各人のプレイスタイルに影響されます。「自分だったらこちらの方がいいピックだとは思うけど、あくまで趣味趣向の話かも」というのは、この「戦略ピック」に類するピックで、主に序盤の話です。
一方、(B)の「戦術ピック」に関しては、正しい解答があります。例えば、これまでピックした自分のカードに除去が少なかったから、たとえ性能が悪い除去カードでも、得点の高い生物より優先して、擬似除去みたいなカードをピックするというのは、「戦術ピック」です。
(C)に関しては、言うに及ばずですね。ひょっとしたら、上級者の方々は、(B)と(C)はニヤリィ・イコールだと思っているかもしれません(笑)。

23日は祝日ということで、22日の深夜に一度だけドラフト。ZENの8-4ドラフトです。今回は、色の棲み分けに関しては、やさしくはないドラフトで、デッキも素晴らしいものではありませんでしたが、運にも恵まれて、3分。
「信頼のおける山刀」ゲーということでもありますが、1ランドハンドキープでも勝てたのが、ある程度の「良手札&ドロー」を必要とする「緑デッキ」より性能の優れている部分なのかもしれません。

(ピック譜)
http://space.geocities.jp/draft_toshiyak/weekend091220/091222_01.html

以下、ちょっとした企画(汗)ですが、上記の(A)(B)(C)のピック分類で考えると、

1-1では、自分の好きな「黒」をやりたいと「吸血鬼の呪詛術士」に惹かれましたが、「初手では一番良いカードを取る」という今の自分の「A:戦略」に従い、赤「噴出の稲妻」をピック。
1-2は、赤でいくなら「松明投げ」ですが、赤単は今時組めないと思っているのと、同盟者がコモンで充実している赤と相性が良い、青「ウマーラの猛禽」ならば、先に青をおさえておこうという「A:戦略」で、猛禽をピック。
1-3は、ラッキーなことに、「ウマーラの猛禽」と、「生きている津波」の2枚の青い良カード。上の分類だと、「A:戦略」「B:戦術」の両方から考えるピックになりました。戦術的に考えれば、「猛禽」が4/4になるには、他に同盟者を2体キャストしたときなので、場を支配できる「生きている津波」の方が良カード。しかし、戦略的に考えると、「津波」はダブルシンボルであり、このピックの後は青を中心に考えていかねばならないということ。下家に「猛禽」という良カードを流すことによって、「同盟者シナジー」と「青」という二つを下家に意識させることになってしまうというネガティブ要素が・・・。散々迷った末、ここは「津波」をとりました。

・・・長々と書きましたが、結果的にいうと、1-1と1-3のピックは勝敗には影響ありませんでした(苦笑)。やはり「A:戦略」レベルのうんちく的判断です。

結果的に、ゲームの勝敗を決めることになったAとBのピックとしては以下で、それ以外は「C:選択肢がなかった」か、もしくは「A:どちらでもよかった」ようなピックでした。
1-2「ウマーラの猛禽」 →A:戦略(青のやりやすさ)
1-5「吸血鬼の烈断者」 →A:戦略(黒の流れを読む)
2-3「冒険者の装具」  →A:戦略(色の保留)
2-6「マラキールの門番」→A:戦略(ここで色の決定)
3-8「乱動への突入」  →B:戦術(除去が少ない中、テンポ優先の黒青デッキ)

こうみてみると、45回あるドラフトの中で、勝敗をわける選択肢というのは5回くらいなのでしょうか??
今後も時間があれば、統計をとっていこうかとも思っています。

コメント

bun
2009年12月24日12:57

こんにちは。面白い企画だと思います。
ピック譜を見ている側としても、そのピックがどのような思考に基づいてなされたものかを知る事ができる点は大きいと思います。
実は会社のPCでは何故かピック譜が表示できないので実際のピックは見れていないのですが・・・^^;

toshiya k
2009年12月24日19:12

午前中は時間があったので(笑)
bunさんのピック譜も参考に、2色基本にしてからは、1没は少なくなりました。ありがとうございます。
後はプレイングと運ですね(苦笑)。年末進行・・・今週末も出勤の気配が(苦笑)。

bun
2009年12月24日20:47

そう言って頂いて、大変面映いです。
ピック譜とあわせてエントリを読ませて頂くと、ピックの意図が非常に解りやすいです。
難しい流れの中で、柔軟に2色目を探されているのが印象的でした。
人のピック譜を見ているとドラフトしたくなりますw

年末もお忙しいのですね・・・。寒さが大変厳しくなっていますのでお気をつけ下さい。

nophoto
toshiya k
2009年12月25日8:29

マジック三昧の日を作りたいですが。苦笑
よい年末を!

ななし
2009年12月29日21:35

いつもコメントをいただいて恐縮です。

コメントを貰いながら、自分の都合っていうのもおかしいですがコメントを返せてないのが悪いなーと思ってはいました。

自分もずっと関東にいるわけではないので、1度リアルに挨拶を出来ればいいとは思っています。

来年も良いお年を。

toshiya k
2009年12月30日1:19

こちらこそコメントありがとうございます。
リアル挨拶、是非。関東にいるときに、よろしくお願いします。ご連絡くだされば、夜、時間作りますよ。

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索