ドラフト戦術論3: Over-Drafted と Under-Drafted
2008年9月19日 TCG全般08.09.18
「over-drafted」と「under-drafted」はマジック英語であるが、ご存知だろうか?
どちらも色のピックのトレンドを表すものだが、over-draftedは、その色の「強さ以上に人気がある」競合が激しい状態をあらわし、under-draftedは、「人気のない」状態をあらわす。
大事なことは、over-draftedかunder-draftedかは、その時のトレンドによって大きく変わるということだ。「ある色が強い」という情報が広まれば、みんながその色を意識してドラフトをはじめる。スタンダードのメタゲームの変化に近いことが、ドラフトでも起きている。
先々週までは「赤」中心のドラフトが強かった。しかし先週末で、私は「赤」中心のドラフトで、事実上4連敗している。オンライン上では、現在、明らかに「赤」はover-draftedの様相だ。
本日の最初のパックでは、黒レア「くぐつ師の徒党」、緑「見下し」、赤「炎の投げ槍」「痕跡焼き」という強力パックを開封した。ここで現在のドラフトのメタゲームを考えるならば、over-draftedな赤を避けるべきだ。そして、白にしか結びつきにくい黒よりも、多少は変化しやすい緑の「見下し」のピックが正解だったろう。
しかし私は、おそらくSSEドラフトでは最強パターンと思われる「痕跡焼き」共謀キャストの破壊力の魅力を捨てられず、「痕跡焼き」をピックし、競合の激しい「赤」という色に飛び込んだ。
次のパックで流れてきた強力カードは緑白「萎れ葉の騎兵」だった。やはり「見下し」をピックしなかったことを後悔する。上家に赤く染めている人がいるのだろう。その後も1パック目では赤デッキの中核となるような赤カードは流れてこず、自分は緑白の混成カードを中心にシフトした。2パック目で唯一ゲットできた赤の中核カードは「炎の力」で、まだ赤への気持ちは捨てられず、基本は白単の形でシャドウムーアが終了した。
3パック目のイーブンタイドでは、「至福の休息」「損ない」「炎の突き」とピックしていったが、一方で強力な緑黒アンコモンが偏って大量に出現した。結果論であるが、最初に緑を選択していれば、強力な緑黒のデッキがやすやすと完成していたことだろう。とくにイーブンタイドの後半は、白・赤のカードが早々と枯れて、なぜか回ってくる「Soul Sunffer」などの強力カードをカットするだけにとどまってしまう。
結果的に3勝することになるが、デッキ構築は苦しいものとなった。実際、対戦相手も赤を交えたデッキが多かった。
SSEの「赤」という色の強さはいろいろあるが、最終的なエッセンスとしては、共謀で打つ「痕跡焼き」と、「炎の突き」「炎の力」のアドバンテージに支えられていると思う。それらを多くのプレイヤーで分け合うと、相対的に他の色が強くなってくるのは、スタンダードのメタゲームと全く同じだ。
■デッキ構築/白単タッチ赤、タッチ緑
白の1-4マナ帯のローコストの優秀な生物で構成されているが、飛行や畏怖など相手の戦線を侵入できる生物が1体もいない。相手に緑の大型が舞い降りて、こちらに除去がなければそれでストップしてしまう。そのため「蹄のスカルキン」をデッキに入れて、困った最後は緑白生物をパンプアップしたり、タッチ緑で「赤緑の魔女」を起動しようという、苦しい構築をした。タッチ赤は除去であるが、共謀の打てない「痕跡焼き」と「炎の突き」「炎の力」である。
■対戦1:黒ウイニー (1620) ○-×-○
黒ウイニー+「腐食する導師」で戦線を固めてくるデッキ。おそらくEEEドラフトでミミックの強さを存分に味わっているプレイヤーなのだろう。複数の緑黒ミミックで序盤からどんどん押してくる戦いに苦戦する。1-1で迎えた最終戦。「炎の突き」のトップデックで相手の戦線は崩壊した。しかしこの時点での苦戦で、自分のデッキのポテンシャルの低さを痛感する。
■対戦2:青赤 (1620) ○-○
1本目「炎の力」+「巡回の信号手」コンボ。2本目「大霊の盾」。
■対戦3:緑赤ステロイド (1830) ○-×-○
1本目は「超ラッキー」なキレイなマナカーブ+相手の引きの悪さで相手を撲殺したが、2本目は、自分のデッキがイマイチな上、ゲーム展開の読みミスをしてしまい、納得のいかない自分のプレイにへこむ。
3本目は、絶体絶命の状態で、奇跡的な逆転勝ち。いろいろな奇跡が重なったわけであるが、相手絶対有利の状況でブラフのプレッシャーを与え、恐怖感から一気に押し切りたいという気持ちにさせることで相手に「枝細工師の古老」で「蹄のスカルキン」を破壊させ、手札に眠っていた「炎の力」を「巡視のメロウ」にキャストすることに成功し、相手は自分の勝ちゲームを落としたことを悟り、投了。
「over-drafted」と「under-drafted」はマジック英語であるが、ご存知だろうか?
どちらも色のピックのトレンドを表すものだが、over-draftedは、その色の「強さ以上に人気がある」競合が激しい状態をあらわし、under-draftedは、「人気のない」状態をあらわす。
大事なことは、over-draftedかunder-draftedかは、その時のトレンドによって大きく変わるということだ。「ある色が強い」という情報が広まれば、みんながその色を意識してドラフトをはじめる。スタンダードのメタゲームの変化に近いことが、ドラフトでも起きている。
先々週までは「赤」中心のドラフトが強かった。しかし先週末で、私は「赤」中心のドラフトで、事実上4連敗している。オンライン上では、現在、明らかに「赤」はover-draftedの様相だ。
本日の最初のパックでは、黒レア「くぐつ師の徒党」、緑「見下し」、赤「炎の投げ槍」「痕跡焼き」という強力パックを開封した。ここで現在のドラフトのメタゲームを考えるならば、over-draftedな赤を避けるべきだ。そして、白にしか結びつきにくい黒よりも、多少は変化しやすい緑の「見下し」のピックが正解だったろう。
しかし私は、おそらくSSEドラフトでは最強パターンと思われる「痕跡焼き」共謀キャストの破壊力の魅力を捨てられず、「痕跡焼き」をピックし、競合の激しい「赤」という色に飛び込んだ。
次のパックで流れてきた強力カードは緑白「萎れ葉の騎兵」だった。やはり「見下し」をピックしなかったことを後悔する。上家に赤く染めている人がいるのだろう。その後も1パック目では赤デッキの中核となるような赤カードは流れてこず、自分は緑白の混成カードを中心にシフトした。2パック目で唯一ゲットできた赤の中核カードは「炎の力」で、まだ赤への気持ちは捨てられず、基本は白単の形でシャドウムーアが終了した。
3パック目のイーブンタイドでは、「至福の休息」「損ない」「炎の突き」とピックしていったが、一方で強力な緑黒アンコモンが偏って大量に出現した。結果論であるが、最初に緑を選択していれば、強力な緑黒のデッキがやすやすと完成していたことだろう。とくにイーブンタイドの後半は、白・赤のカードが早々と枯れて、なぜか回ってくる「Soul Sunffer」などの強力カードをカットするだけにとどまってしまう。
結果的に3勝することになるが、デッキ構築は苦しいものとなった。実際、対戦相手も赤を交えたデッキが多かった。
SSEの「赤」という色の強さはいろいろあるが、最終的なエッセンスとしては、共謀で打つ「痕跡焼き」と、「炎の突き」「炎の力」のアドバンテージに支えられていると思う。それらを多くのプレイヤーで分け合うと、相対的に他の色が強くなってくるのは、スタンダードのメタゲームと全く同じだ。
■デッキ構築/白単タッチ赤、タッチ緑
白の1-4マナ帯のローコストの優秀な生物で構成されているが、飛行や畏怖など相手の戦線を侵入できる生物が1体もいない。相手に緑の大型が舞い降りて、こちらに除去がなければそれでストップしてしまう。そのため「蹄のスカルキン」をデッキに入れて、困った最後は緑白生物をパンプアップしたり、タッチ緑で「赤緑の魔女」を起動しようという、苦しい構築をした。タッチ赤は除去であるが、共謀の打てない「痕跡焼き」と「炎の突き」「炎の力」である。
■対戦1:黒ウイニー (1620) ○-×-○
黒ウイニー+「腐食する導師」で戦線を固めてくるデッキ。おそらくEEEドラフトでミミックの強さを存分に味わっているプレイヤーなのだろう。複数の緑黒ミミックで序盤からどんどん押してくる戦いに苦戦する。1-1で迎えた最終戦。「炎の突き」のトップデックで相手の戦線は崩壊した。しかしこの時点での苦戦で、自分のデッキのポテンシャルの低さを痛感する。
■対戦2:青赤 (1620) ○-○
1本目「炎の力」+「巡回の信号手」コンボ。2本目「大霊の盾」。
■対戦3:緑赤ステロイド (1830) ○-×-○
1本目は「超ラッキー」なキレイなマナカーブ+相手の引きの悪さで相手を撲殺したが、2本目は、自分のデッキがイマイチな上、ゲーム展開の読みミスをしてしまい、納得のいかない自分のプレイにへこむ。
3本目は、絶体絶命の状態で、奇跡的な逆転勝ち。いろいろな奇跡が重なったわけであるが、相手絶対有利の状況でブラフのプレッシャーを与え、恐怖感から一気に押し切りたいという気持ちにさせることで相手に「枝細工師の古老」で「蹄のスカルキン」を破壊させ、手札に眠っていた「炎の力」を「巡視のメロウ」にキャストすることに成功し、相手は自分の勝ちゲームを落としたことを悟り、投了。
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